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ステレオアンプ
製作開始 2010.11.05
仮完成 2011.04.13
ページ公開 2011.05.01
全体
目次
製作の動機
とあるジャンク屋でPioneerのスピーカーを買いました。
Pioneer製の古いアンプで鳴らしていたのですが、アンプのサイズがでかくて狭い部屋では不便でした。
また、部品箱にアンプICやレベルメータICがあったりしたので小型のアンプを作ろうと思ったのでした。
構成
ただのアンプでは面白く無いので、80年代後半に流行ったようなデジタル的なアンプにしました。
電源ボタンや入力セレクトスイッチはタクトスイッチにして、
すべてマイコンで制御するようにします。
更にイコライザー回路(プリアンプ)も載せます。LEDのレベルメータも載せます。
回路構成は下のとおりです。
この図に書くのを忘れましたがリモコン受光モジュールもあります。
アンプ部はすべてアナログ回路です。デジタル的と言っておきながらデジタルアンプではありません。
回路図
回路図 未完成
IC周辺はデータシートそのままが多い
部品表・価格
詳しくは後ほど書きます。
主なIC
パワーアンプ部 - TA8210H
ヘッドホンアンプ部 - LM4881
プリアンプ部 - 2SC1815Y
レベルメータ部 - LB1412
マイコン部 - ATmega88
電源部 - LM7805
ケース・加工
ケースは前買ったタカチのYM-200を使います。200*150*40
全面のレイアウトは、一般的なアンプのように左にスイッチ・右にボリュームとした。
今回のアンプはレベルメータを付けるので、窓が必要です。
窓は、t=3mmの半透明アクリル板を切り出し、3辺をダンチにしました。
入力セレクト用のスイッチと電源スイッチは、t=5mmの不透明アクリルを加工して、タクトスイッチを押す機構にしています。
理解できた人はすごいと思う図
不透明アクリルの後ろにはタクトスイッチがあります。
約16*12mmです。エンドミルで加工しました。
各種基板
電源
電源は、秋月の12V/5AのスイッチングACアダプターです。
平滑コンデンサは4700uF/25Vです。
もはや場所がないのでこれ以上でかいコンデンサを置けません。
マイコン用とヘッドホンアンプ用の5Vはそれぞれ別々に3端子レギュレータで作っています。
メインアンプ部
メインアンプのICは、昔カーステから取った、東芝のカーステ用「TA8205AH」です。
13.2V 4Ω負荷で15W*2chの出力がでるヤツです。
しかしパッケージのピンがHZIPの2mmピッチなので普通のユニバーサルには刺さりません。
なので秋月に売っていた2mmピッチ基板を使いました。
t=3mm, 150mm*40mmのアルミ板を放熱板とし、基板はICで固定することにしました。
その後、TA8205より出力の大きいTA8210を手にいれたので、作り直しました。
この写真ではICが見えませんが、下に水平についてます。
ちなみに基板のサイズは、50 * 25 mmです。
TA8205とほぼ同じ回路です。ゲインが大きいので、
3pinと6pinのコンデンサに直列に560Ωの帰還抵抗を入れて
ゲインを約40dBに押さえてます。
さらに入力に10kΩと22kΩのアッテネータを付けています。
これは、マスカット氏のステレオアンプを参考にさせていただきました。
電源ON/OFFの時にポップノイズがでるので、スピーカー保護用にリレーを使っています。
リレーがONの時はスピーカにつなぎ、リレーOFFの時は、6.8Ωの抵抗を繋がるようにしています。
リレーはマイコンで制御しているので、遅延時間などはプログラムを書き換えるだけで変更できます。
ヘッドホンアンプ
ICは、LM4881を使い単電源(+5V)で動かしています。基板はプリアンプ基板の下にあります。
ヘッドホンジャックにスイッチを取り付けて、プラグが挿入されると
プリアンプの出力をメインアンプからヘッドホンアンプに切り替わるようにしています。
切り替えはリレーが行っており、マイコンで制御しています。
アナログ的である
プリアンプ
レコードのプリアンプ…ではなく、低音と高音を調整するための回路です。
この回路もメインアンプと同じくマスカット氏のステレオアンプを参考にさせていただきました。
回路の定数も変更していません。
一度作ったものの、左右のバランスがおかしかったので作り直しました。写真右側が新しい基板です。
トーンコントロールのボリュームは、秋月に売っているスライドボリュームを利用しました。
100kΩ/Bカーブ なのでそのまま使えます。
レベルメータ
ICは、LB1412をステレオ分(2個)使っています。
LED12個をドライブでき、ピークホールド機能も付いていますが残念ながら廃番になっています。
LEDは、秋月に売っていた角型の青色LEDを使いました。→その後変更
基板は、秋月の95*72のガラエポ基板をラッカーで黒く塗り、切りました。
セレクター
入力の数は、5個で、秋月の100円のリレーで制御しています。
入力端子は、RCA端子4個と3.5mmジャック1個です。
マイコン基板
一見綺麗に見えるマイコン基板。しかし裏は…
このアンプのほとんどの基板は、マイコンが制御しています。
マイコンはAtmel社のATmega88です。
ほぼすべてのポートを使いました。
プリアンプ・メインアンプ(スピーカアンプ)・ヘッドホンアンプ・レベルメータの電源・
入力セレクター・ボリュームの回転・スピーカー保護用のリレー・ヘッドホン切り替えリレー・セレクタと電源のLED
を制御しています。
各基板の電源は、メインアンプとヘッドホンアンプはICのシャットダウン機能を使い、その他はリレーを使っています。
リモコン受光モジュールも付けたのでリモコンでの操作も可能ですが、
リモコン受信のプログラムができていないので、まだリモコンは使えません。
マイコン基板はすべての接続にコネクタを使ったので、簡単に外すことができます。
はじけ飛ぶトランジスタ
入力セレクタ基板のテスト実験で、+と-を逆に印加してしまいリレードライブ用の2SC1815が弾けました。
綺麗に割れます。教訓
気になる消費電力
待機電力 24mA
普段聞く音量 400mA
レベルメータが結構大食いです。LED 1個に約10mA流しているので24個点灯すると、240mAになります。
その他
ケースへのアース
ケースへのアースは、スピーカターミナルの固定ネジに落としています。
YMケースは、下の部分と上蓋の導通が悪いのでバネで導通を確保しています。
基板の配置
YM-200は意外と狭く、基板の配置に苦労しました。
ヘッドホンアンプとプリアンプは2段に積み、
レベルメータ基板とマイコン基板も2段に積んでいます。
セレクタリレー基板もボリュームのモータと干渉するため裏返し、その下にヘッドホン切り替え用リレーを配置しています。
ノイズ対策
一点アースをしています。
マイコンを使ったのでノイズを心配していましたが、3端子レギュレータのお陰か、ノイズの回り込みはありません。
ヘッドホンアンプも、マイコンと電源を別けたのでノイズは入りませんでした。
その後…
その後、青色のLEDを黄色と赤色に変更しました。
やはり青は眩しいです。
黄色*7 + 赤*5です。セレクタのLED 5個も変更しました。
ついでにリモコン受光モジュールを好感度のものに変更しました。
当初4ヶ月掛かるとは思ってませんでした。
ケースが小さくて、最後のほうヤケクソでしたが、良い感じに完成できたので満足しています。
参考文献
インターネットサイト
電子マスカット - 15.ステレオアンプ | プリアンプの回路やアッテネータ等 |
TA8205AHについて |
ICデーターシート
IC名 | メーカー | 用途 | 主な仕様 |
---|---|---|---|
LB1412 | SANYO | 12連レベルメータ | DIP22 10-16V |
LM4881 | National Semiconductor | 200mW*2パワーアンプ | DIP8 2.7-5.5V |
NJM7800 | 新日本無線 | 3端子レギュレータ | TO-220F 1.5AMax 7805使用 |
TA7291P | TOSHIBA | モータードライバー | HSIP10 4.5-20V 2AMax |
TA8205 | TOSHIBA | 18W BTL*2 パワーアンプ | HZIP17 9-18V |
TA8210 | TOSHIBA | 22W BTL*2 パワーアンプ | HZIP17 9-18V |
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