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25W LED投光器
製作日時 2013.10
ページ(仮)公開 2013.10.28
更新日 2016.11.6
目的
秋月電子に25WのLEDが売っています。
これを点灯させてみたいと思います。カーバッテリーで動くことを目標にします。
最終的には、実用的な投光器としたいところです。
注意: 高電圧を扱うので感電の危険があります
目次
仕様
今回点灯させるパワーLEDは、Vf=34V、If=1000mAという大物です。勿論、放熱は必須でしょう。
LEDは定電流駆動します。また調光可能としたい所です。
色んな所で使えるような投光器とするために、電源は10~25Vとしました。これで自動車の電源やノートPCのACアダプタが利用できます。
最終的に決めた仕様を下にまとめます。
- 電源電圧:DC10~25V 5.5-2.5mmDCジャック
- LED電流:0~800mA
- 駆動回路:昇圧チョッパ
- 冷却:強制空冷(LEDの温度によって制御)
回路構成
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回路図では10-30Vとなっていますが、30VだとLEDが勝手に点灯してしまいますw
LEDの定電流駆動
LEDの駆動回路は、TL494というPWMコントローラを用いて昇圧チョッパを作っています。
このICは、エラーアンプを2つ持っているので、片方をLEDの電流、
もう片方を出力が開放された時の電圧制限用に使いました。
LEDの電流はR24で電圧に変換したのち、オペアンプで増幅してTL494に入力しています。調光は、TL494の2ピンの電圧を0~5Vの範囲で変えることで実現します。
また、プッシュプル出力が可能なので、フェイズシフト式の昇圧チョッパにしました。これは、2つのパワーMOSFETが交互にオン・オフを繰り返します。前からやってみたかったのです。
インダクタは秋月で売っていた90uHのトロイダルコイルを20回程度ほどいたものです。実測15uHとなりました。MOSFETは、昔秋月で安売りされていたPJP75N75を使いました。このMOSFETは、Vds=75V、Id=75A、Rds=10mΩというものですが、同じようなスペックのものであれば何でもいいです。最大出力時には発熱するので、放熱板が必要になります。アルミ板の切れ端で十分です。
D5,D6のショットキーバリアダイオードは、45V、5A以上あれば十分です。
冷却ファンの制御
LEDの温度で冷却ファンのオンオフを制御できる回路も付けました。回路図の下の部分です。
温度計として、シリコンダイオードを用いました。
シリコンダイオードには約-5mV/℃の温度係数がありますので、3個を直列にし、
-15mV/℃の温度センサとして、LEDの近くに設置します。
(回路図中JP3の6ピンをアノード、3,4ピンをカソードに繋ぎます。)
原理としては、ダイオードの電圧と基準電圧をオペアンプで比較してファンを駆動する、というものです。
ただし、電源電圧が~25Vになってしまってもファン(定格が12V)に過電圧がかからないように簡単な定電圧回路を設けています。そのため、電源電圧が12Vを超えるとQ8は少し発熱することになります。
(発熱量=(電源電圧-12V)×ファンの電流)。
温度の調整は、VR1で行います。
LEDの放熱とケース加工
このLEDはとても発熱します。しかしLEDは80度以下に保たないと壊れてしまいます。
今回は安易にCPUクーラーを用いました。CPUクーラにねじ切りをし、固定しました。放熱用のグリスも塗布しておきます。
(写真ではファンは取り外していますが、実際はファンがないと放熱が間に合いません)
ケースはセリアで売っていたペン立てを使いました。放熱器とサイズがピッタリです。
温度センサ替わりのダイオードには、チップダイオードを使いました。
ヒートシンクはケースへネジ止めします。
片面のプリント基板を製作しました。
製作途中の基板です。後にインダクタの巻線を解くことになります。
動作確認中。LEDに繋がる配線がお気に入りポイント。
試しに2階から駐車場を照らしてみた図です。25WのLEDでも、結構使えそうです。
製作後・・・
後に、ケースに金具を取り付けて三脚に付けられるようにしました。
製作してから3年ほど立ちますが、今でも外での作業に活躍しています(2016.11)。
参考文献
PWMコントローラTL494を使ってみよう - electric